福井の伝統工芸を未来へ!「7人の侍プロジェクト」10年の歩みを振り返る

越前打刃物の職人が作成した包丁。手作業で丁寧に刃を整える技術が際立つ。
越前打刃物福井伝統工芸

2014年8月2日、この日が私たちの「7人の侍プロジェクト」のスタートでした。
この記事では、福井の伝統工芸の繁栄と継続を目指した私たちの活動の始まり、そして8年経った今、どのように変化してきたかを振り返ります。
特に、越前打刃物、越前漆器、越前和紙など、福井の伝統工芸が直面する課題と可能性についてお話しします。

福井県の伝統工芸の実情

10年前のことを思い出すと、最も驚いたのは、多くの福井県民が地元の伝統工芸を知らないという現実でした。
越前和紙や越前漆器、そして鯖江のメガネが知られている程度で、越前打刃物などはほとんど認知されていませんでした。
このギャップが、私たちの活動のきっかけとなり、福井の伝統工芸を未来へ繋ぐための行動が始まりました。

伝統工芸品とは。。右をクリックください→

簡単にいうと自然素材で人間の手作りの日常品というイメージです。

伝統工芸品とは何か?

簡単に言うと、伝統工芸品とは、自然素材を用いて手作りされた日常品です。
それは、職人の技術と美学が詰まった、時を超えて愛されるものです。
例えば、越前打刃物は刃物の名産地として、越前漆器は食卓を彩る器として、そして越前和紙は歴史ある紙として、それぞれが独自の役割を果たしています。

伝統的工芸品とは:日本の伝統と技術を守り続ける「モノづくり」

「伝統工芸品」と呼ばれる日本の文化的な工芸品ですが、その正式名称は「伝統的工芸品」といいます。この名称には、厳格な基準と長い歴史に基づいた職人の技術が込められ…

新たなモノづくりへの挑戦

福井の職人たちが集まり、7人の侍プロジェクトについて語り合うシーン。地域の伝統工芸を支える熱い思いが伝わる

当時、私はメガネの材料商社に勤めており、メガネ製作に使われる技術と素材を活かして新しいモノづくりを模索していました。
この経験を通じて、福井の伝統工芸も、新しい市場に適応するための技術や素材があれば、さらに大きな可能性があると感じていました。

私たちの信念に賛同してくれたのが、大阪のデザイン会社【レディメイドジャパン】さんでした。
彼らの協力を得て、福井の伝統工芸品に新しいデザインを取り入れるプロジェクトが始まりました。

デザインと市場の壁

モノづくり自体は順調に進み、スタイリッシュな製品がいくつか誕生しました。
しかし、実際に売ることが最も困難でした。
消費者が商品を購入する際には、いくつかの重要なステップがあります。これらの要素をすべて満たす必要があり、さらに伝統工芸品の場合、その価値を理解してもらうための説明も必要でした。

人がモノを買うステップ

・デザイン(興味)
・機能性
・価格
・耐久性 など

越前和紙の繊細な質感をアップで捉えた写真。職人の手によって生み出される和紙の美しさを表現。
福井伝統工芸

福井の伝統工芸を広めるための行動方針

百貨店の期間限定ショップや展示会に出展し、エンドユーザーから直接意見を聞く機会を設けました。
いくらデザインが優れていても、値段が高すぎると手が届かない、という現実に直面しました。
モノづくりには、デザイン費、材料代、加工賃、在庫管理など、多額の費用がかかります。
私たちは補助金なしの有志団体で活動していたため、資金面での制約も大きな課題でした。

ここで私たちは方針を転換し、コストをかけずに自分たちで情報発信し、知名度を上げていこうと決意しました。
SNSやブログを活用し、少しずつ福井の伝統工芸の魅力を伝えていくことにしました。

10年後の今、そして未来へ

10年が経ち、当初とは異なる視点から物事を見られるようになりました。
私たちの努力のおかげで、各職人の知名度は上がり、問い合わせや売上も徐々に増加しています。
この結果を見て、私たちの行動は間違いではなかったと実感しています。
また、職人たちとの信頼関係も深まり、今では気軽にモノづくりの相談ができる関係になっています。

さらに、この経験を通じて、私自身も講演に招かれる機会が増え、伝統工芸の未来について話す場をいただけるようになりました。
しかし、コロナ禍によって一度リセットされた感覚もあり、もう一度奮起して新たな挑戦に向けて動き出そうと決意しました。


2014年8月2日の決意

今でも覚えています。
2014年8月2日、私たちの「7人の侍プロジェクト」が正式に発動した日。
各産地の職人たちが賛同してくれ、この活動が新聞にも掲載されました。

新聞7人

各産地の職人が賛同してくれ新聞にまで掲載頂いた。

これからが本番だと感じていました。
未知の世界でありながら、とにかく「皆が幸せになるシステムを作りたい」という思いでいっぱいでした。
私は、誰か一人が負担を背負うのではなく、全員が利益を享受できるビジネスが本物だと考えていました。
そして鯖江市長にもご紹介いただき、このプロジェクトを進めていく決意を固めたのです。

失敗や困難はあるだろうと予想していましたが、それでも挑戦を続けることが新しいビジネスモデルを生み出すと信じていました。
「5年後に良い30代だったと振り返られるように」と、自分自身にチャレンジを課していたのを思い出します。

まとめ:福井の伝統工芸を未来へ繋ぐ挑戦

私たちの「7人の侍プロジェクト」は、福井の伝統工芸を未来に繋ぐための挑戦としてスタートしました。
8年の月日が流れ、私たちの活動は職人たちの知名度を向上させ、福井の工芸品の魅力を広める一助となっています。
しかし、私たちの挑戦はまだ終わりません。
これからも福井の伝統工芸の繁栄と継続を目指し、さらなる活動を展開していきます。

私たちの活動に共感していただける方や、福井の伝統工芸に興味を持っていただける方は、ぜひ私たちのプロジェクトにご注目ください。

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